カメとカエルの恋

カメがカエルに恋をした。求愛したが拒まれた。同居したメスガメには逃げられた。そして再びカエルを追いかけるようになった…。北九州市小倉北区の市ほたる館で繰り広げられる「道ならぬ恋」。その行方を飼育員はそっと見守っているという。
北九州市小倉北区市のほたる館で飼われているクサガメ「ちゃちゃ」。ネスの日本ヒキガエル「そね」と同じ水槽に入れるようになって数か月たった2015年1月中頃、オスガメがメスガエルに近づくようになったそうだ。そばでじーっと見つめたり、顔の前に頭を突き出したり。メスガエルは嫌がっているようだったという。
1月23日、オスガメがついに行動を起こした。メスガエルと向き合うと、首をボクシングのフックのように操り相手の鼻先に「キス」。専門家によると、これはクサガメの求愛行動だという。そのあとメスガエルの背後に回って覆いかぶさったが、逃げられた。メスガエルが離れようとしてもオスガメは追いかけた。頬を平手打ちされたこともあったという。それでもあきらめず、再び背後から覆いかぶさったが受け入れられることはなかった。メスガエルは水槽の中でガラスを背にしていることが多くなったという。
オスガメが近づき始めたころ、メスガエルがオスガメの頭をぺろっとなめたことがあったという。飼育員は「それで勘違いしたのかも。『そね』を追いかけている『ちゃちゃ』の目はキラキラしていた」と話す。新海正信館長は「『ちゃちゃ』の思いが切々と伝わって同情する。だが道ならぬ恋。成就することはあり得ない」と話している。
3月中旬、オスガメのお嫁さん候補としてメスのクサガメ「さくら」がほたる館の一員になった。不憫に思ったカメ好きが寄贈したそうだ。オスガメはメスガメを追いかけるようになり、メスガエルには近づかなくなった。
メスガメはオスガメを威嚇し、甲羅のふちに噛みついたこともあったという。それでもオスガメが追いかけ続けるうちに徐々に親密になっているように思えたが、7月23日に逃げてしまったそうだ。オスガメはメスガメがいなくなった直後は食欲がなくなり、きょろきょろしていたという。しかし、ほどなくしてメスガエルへの接近を再開。メスガエルは受け入れはしないがオスガメの心情を察してか、そっと寄り添っているようにも見えたという。
この種を超えた道ならぬ恋の行方はどうなっていくのだろうか…。